2003年8月23日

人を憎まず、罪を憎んで、
そうやって生きていきたいと思うけれど、
それでも彼自身を憎まずには居られなかった夜。

サラリーマンにはなりたくない、と言った彼。

貴方が来年からやろうとしていることは
サラリーマンって言うのよ、と言った私に彼が被せる。

そうだよ、だけど俺は絶対に抜け出すんだ。
蟻の集団から抜けて上に行くんだ。

あぁ、夜中にまた思い出して
腹を立ててしまう私も相当にしつこいけれど、
それくらい、嫌な言葉。

何もかもを犠牲にしても手に入れたがるのが
若者の特権だと言うけれど、
犠牲にするからには心を痛めて欲しい。

満員電車に揺られ、グレーのスーツに身を包んだ人を
サラリーマンという生き物として一括りにしてしまう感性を疑ってもいい?

貴方にはまだ見たことの無い世界がある。

スーツの色は毎日変わる。
そして、心の中も。

私にはこれ以上、彼の夢を聞く愛想は無い。
もう無理。ジェノサイダーの夢なんて。

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