まったく触れ合ってない心というのが、
なるほど、この世には存在するものだ。
TVのフットボール試合に釘付けの彼と、
他人の家なのに、自宅の一人部屋のようにソファに寄りかかる彼女。
会話はあるけれど、そこには下心のかけらも見つけられない。
彼女はフットボールについて2,3の質問をし、
彼はテキスト通りのパーフェクトな答えを返す。
彼女は、彼がパーフェクトな答えを出す事を知っている。
(彼女はフットボールに関して無知であるので、
彼の答えが即ち100%なのだ)
だから、聞いただけ。
それで彼女の小さな知的好奇心の泡はプチンとはじけ、
また穏やかで平らな水辺が戻ってくる。
これは幸せなのか、無なのか、
それとも、もの凄く何かを失っている段階なのか、
彼女はベッドの中で考える。
心臓の辺りに、真水がひたひたと溢れてくる。
しょっぱくも甘くもなく、からっぽですら無い。
隣で眠る彼の胸から同じように、色も味も無い真水が流れ出て、
少し窒息しそうな苦しさを感じて、
どこかで安心しながら彼女もようやく眠る。
明日の朝起きたら、
真水が砂糖水になっていてもいいのに、神様。
なるほど、この世には存在するものだ。
TVのフットボール試合に釘付けの彼と、
他人の家なのに、自宅の一人部屋のようにソファに寄りかかる彼女。
会話はあるけれど、そこには下心のかけらも見つけられない。
彼女はフットボールについて2,3の質問をし、
彼はテキスト通りのパーフェクトな答えを返す。
彼女は、彼がパーフェクトな答えを出す事を知っている。
(彼女はフットボールに関して無知であるので、
彼の答えが即ち100%なのだ)
だから、聞いただけ。
それで彼女の小さな知的好奇心の泡はプチンとはじけ、
また穏やかで平らな水辺が戻ってくる。
これは幸せなのか、無なのか、
それとも、もの凄く何かを失っている段階なのか、
彼女はベッドの中で考える。
心臓の辺りに、真水がひたひたと溢れてくる。
しょっぱくも甘くもなく、からっぽですら無い。
隣で眠る彼の胸から同じように、色も味も無い真水が流れ出て、
少し窒息しそうな苦しさを感じて、
どこかで安心しながら彼女もようやく眠る。
明日の朝起きたら、
真水が砂糖水になっていてもいいのに、神様。
コメント