続 幸福な時間

2005年6月18日
先週の結婚パーティから1週間がたち
私たちは再び全員で顔を合わせた

新婚のふたりが、パーティのお礼だと言って招待してくれた
乃木坂の評判の良いイタリア料理のレストラン

味も雰囲気も良く、わたしたちはまた幸せな気持ちになって
二人の結婚をあらためて祝い
最近付き合っていることをようやくカミングアウトした別の二人をからかい
とても楽しい時間をすごした

そのまま、懐かしい赤坂プリンスへ移動する

このホテルは、昨年の秋に同じメンバーで泊まった思い出の場所
部屋へ入って、去年と同じ部屋だったことに驚いた

実は、ここへ来る前に同期から台本を渡されていた
映画のワンシーンを数人のメンバーで再現し、他のメンバーを驚かそうというもの
台本を読んでいくと、最後のほうは「アドリブ」となっていて
詳細はまったく書かれていない

また何か企んでいるのかぁ、と笑いながら読んだ

部屋に入り、改めて乾杯をした後、
まずは一番目のサプライズ、
5月生まれの友人達のバースデーパーティを行う
ケーキを食べ、プレゼントを渡し、
男性陣は「さてそろそろ・・・」という顔で別室へ消えていく
私もさりげなくリビングを抜け出し、台本の読み込みをする

何気ない顔でリビングに戻り、あらかじめ用意された音楽をかけた

芝居の内容は、先週結婚した二人に嫉妬した友人が
興奮のあまり、新郎新婦を誘拐しようとする
そこへ刑事役が入ってきて、誘拐犯を撃ち殺してしまう
誘拐犯は最後の力を振り絞って、ダイイングメッセージを残す
刑事役が気づいて読み上げる

「めし、どこか、たのむ ・・・?」

台本はここまで。
誘拐犯役だった友人はすくっと立ち上がり、映像をONにした
少し前に流行した「電車男」のタイトルが現れたあと
にちゃんねる風の会話がスクリーンに流れ出す

それは懐かしい、誘拐犯役の友人が彼女に片思いをしていた頃の
わたしたちのメールのやりとりを編集したものだった

「クリスマス誘わないの?」から始まり、
食事に誘うタイミング、彼女が好きな食べ物の情報なんかを
仕事の後にメールでやり取りしていた頃のこと

もちろん、彼女は裏でわたしたちがこんな会話をしていたことは露知らず
びっくりした顔でスクリーンを眺めていた

そして、二人が付き合いだした後の写真が流れ、
「その後は・・・?」というメッセージで映像が終わった

彼は彼女を呼び寄せ、わたし達のほうをまっすぐ向いた
そして、「このたび婚約しました」と言った

アドリブとはこのことだったのだ
わたし達に結末を悟られないように、台本には載せられなかった言葉、事実

わたしたちは「えーー」と叫び、
口々に「おめでとう!」と言い、
「もっとちゃんと話して!」と彼らを前に座らせ、
記者会見さながらの質問を矢継ぎ早にあびせた

あぁ、びっくりする程はやく夜は更け、
彼らは翌日の両親への挨拶に向け、タクシーで彼の家へ帰った

残されたわたしたちは改めて、二人の発表におどろき、喜び、
窓の外が明るくなる頃まで眠れなかった

一夜明けてまた、今頃新幹線に乗って彼の実家へ向かっているだろう二人を思い、
けんかしていないか、これから遠距離恋愛となるが大丈夫だろうか、などと勝手に言い合った

まったく、どうしてこの仲間達は幸せを上手に表現するのだろう

好きなものを好きと堂々と言える彼らを
わたしはとても誇らしく思う

人生は幸せなことばかりではないし、
華やかなことばかりでもない

でもスポットライトがあたった瞬間をどれだけ楽しめるか
味わえるか、そして分かち合えるか
そしてライトの当たらない時間をどれだけ一生懸命すごすか

こうやって、たくさんの幸せをわかちあいながら
ゆっくりと年を取っていけたら、どんなに幸福だろう

またしても、幸福な時間をくれた二人、ありがとう

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