久し振りに皇居の周りを走ろうと思い立った

雪も溶けたし、
日曜に傷めた筋もなんとなく平気そう

竹橋から走り始めて、ちょうど三分の一くらい過ぎると
それまで視界をさえぎっていた皇居の緑が遠くなり
急に斯界がひらける場所がある

なだらかに、けれどとても広くて深いお堀へ落ちていく芝生

お堀に囲まれて、陸の孤島のような皇居

その後ろに輝く大手町のオフィスビル郡

わたしは走ってこのまま東京タワーへ、銀座へ、会社へいけるけれど

お堀の中で、雅子さんは何を思っているだろう

外を知っている彼女は、深いお堀に囲まれた静かなお城で

同じように月を見上げているかもしれない

皇居の横を走りながらおもったことは

雅子さん、苦しいだろうなぁということだけ

実は走りながら、わたしはわたしで仕事のことを考えてナーバスになっていた

だけど、お堀のむこうの彼女のことを思ったら、そっちのほうがもっと辛くて悲しくてどうしようもなくなってしまった

まだ小さい、小さい自分の娘のことでたくさんの人が何かを言っている

おかあさんとしてどれだけ苦しんでいるだろう

深いお堀、飛び越えて出てきてしまえば、と思いながら走る

伝統も、しきたりも、人間が作ったものだからこそ、
こだわることに意味がある(こだわらなくなったら、他に誰がこだわってくれる?こだわることこそが、人が人である最後の砦かもしれないのに?)

わかっているけれど、やっぱり、命に色はつけたくない
あたりやはずれは、命の議論でしたくない

ね、雅子さん。

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